2009年12月14日

死因贈与契約

死因贈与とは?

死因贈与とは、贈与者の死亡によって、効力を生ずる贈与です。
いわゆる、「俺が死んだら、お前にやるよ。」というような契約です。
遺言が、遺言者の単独行為であるのに対して、死因贈与は、贈与の一種で、二当事者間の契約です。
また、贈与者の死亡によって効力を生じる点で、遺贈と類似し、民法では、死因贈与は遺贈に関する規定に従うとされています。

死因贈与の撤回については、遺言の撤回に関する民法の規定のうち、方式に関する部分を除いて死因贈与の場合にも準用されます。
最高裁では「死因贈与は贈与者の死亡によって贈与の効力が生ずるものであるが、かかる贈与者の死後の財産に関する処分については、遺贈と同様、贈与者の最終意思を尊重し、これによって決するのを相当とするからである。」と述べています。
つまり、死因贈与契約は契約ではありながら、贈与者が一方的に撤回することが可能で、また、この撤回が遺言の方式によってなされる必要はないということです。

死因贈与と登記

不動産の死因贈与については、所有権移転請求権保全の仮登記をすることができます。
死因贈与契約書を公正証書で作成し、その中で「贈与者は、贈与物件について受贈者のため所有権移転請求権保全の仮登記をなすものとし、受贈者がこの登記手続を申請することを承諾した。」旨の記載をしておけば、公正証書の正本又は謄本をもって受贈者がこの仮登記を単独申請ができるので便利です。

また、死因贈与も遺言と同様に、執行者を選任することができます。
執行者の指定がない場合は、所有権移転の登記手続の際に、贈与者の相続人全員を登記義務者として申請することを要しますので、手続が煩雑になります。したがって、この場合は、執行者を指定しておいた方がよいでしょう。

*必ず死因贈与契約を公正証書にしなければならないわけではありませんが、贈与者の死後、受贈者と贈与者の相続人間で摩擦が生じやすいので、公正証書で作成しておく方が安全といえるでしょう。

負担付死因贈与とは?

一般に負担付贈与とは、受贈者が対価というには足らない程度の反対給付をする債務を負う贈与です。
たとえば、受贈者は、贈与者の生存中の生活の世話を負担する代わりに、贈与者の死後に、何がしかの財産の贈与を受ける場合が考えられます。

死因贈与についても、負担付贈与を行うことができます。
上記で、遺言の撤回に関する民法の定めは、方式に関する部分を除いて死因贈与の場合にも準用される旨記載しましたが、負担付死因贈与については、受贈者が約定に従い負担の全部又はそれに類する程度の履行をした場合においては、特段の事情がない限り撤回ができないため、注意が必要です。

また、受贈者の立場から見れば、負担付死因贈与契約締結時に、負担の内容を明確にして、それを誠実に実行するならば、遺言よる遺贈でもらうより負担付死因贈与契約の方が確実なのかもしれません。

遺言状を作成する

遺言書の書き方

遺言は、それぞれ遺言の種類によって法律で書き方が決められています!

せっかく書いた遺言書に不備があると認められません!

自筆証書遺言と公正証書遺言の書き方について説明いたしますが、きちんとした遺言書を作成したいのであれば、やはり司法書士などの専門家にご相談することをお勧め致します。

自筆証書遺言の書き方

・全文を自筆で書くこと
・縦書き、横書きは自由で、用紙の制限はありません。筆記具もボールペン、万年筆など何を使用しても構いません。
・日付、氏名も自筆で記入すること。
・捺印は認印や拇印でも構いませんが実印が好ましいでしょう。
・数ページに渡る場合は、全てのページに契印がされていること。
・加除訂正する時は、訂正個所を明確にし、その個所に捺印の上署名すること。

公正証書遺言の書き方

・証人2人以上の立会いのもと公証人役場へ出向くこと(公証人に来てもらうことも可能です)。
・遺言者が遺言の内容を公証人に口述すること。
(聴覚・言語機能障害者は、手話通訳による申述、または筆談により口述に代えることができます。)
・公証人がその口述を筆記し、これを遺言者及び証人に読み聞かせ、または閲覧させること。
・遺言者および証人が筆記の正確なことを承認したうえで、各自が署名捺印すること。
・公証人がその証書を法律に定める手続きに従って作成されたものである旨を付記して、これに署名捺印すること。

証人・立会人の欠格者について

遺言執行者は、証人になることが認められていますが、未成年者、推定相続人、受遺者及びその配偶者、及び直系血族は証人にはなれません。また、公証人の配偶者、四親等内の親族、書記及び雇用人も同様です。

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